ちょっとそこまで-斥候隊-

Spare me your lecture.

入社試験有料化の危険なワナ

 入社試験有料化についてやっぱり違うと思うので、くどいようですがまた書きたいと思います。

大学入試と入社試験は根本的に違う

 大学入試の合否というのは、数値化できるものに対して単純に"合否"がでるのに対し、入社試験は"その企業に必要そうだ"というあくまで会社都合の採用不採用という構図になっているかと思います。


 あくまで学ぶ場所としての大学とは根本的に違うので、企業の採用不採用が会社にとって必要そう"だろう"という基準になるのは至極あたりまえではありますが、大学入試と比較して会社の採用不採用も有料である"べき"だというのは強引だと思います。


 就職活動をしている学生が「自分が働きたい!きっと自分の能力なら会社にも貢献できる!」と考えて応募しても、企業にとっては必要な人材ではないという事も往々にして起こりうる話だと思います。

そもそも今の企業の採用活動自体が時代遅れの使い物にならない採用方法ではない

 書類での足きり、言い換えれば学歴での足きり自体が時代錯誤のやり方として認知されていますが、であるならば世界の名だたる企業の採用自体も糾弾されるべきで、確率論からしてもそれほど的の外れた採用方法であるとは思えません。


 仮に、足きり自体が間違った採用の仕方でも有料化によって採用が適正化に向かうとも言い難いと思います。くどいようですが、Googleの採用に関するビッグデータの調査でもわかる通り、採用は博打的要素を含んでいます。客観的データで採用不採用を決めるのではなく、人間が決めるものですから、完璧ではないというのも当たり前といえば当たり前ですが。

「人材採用に一貫性がない」ことがビッグデータで明らかに--グーグルがNYTに語る - CNET Japan

数年前、われわれはGoogleで採用業務において特に優れた者がいるかどうかを見極める目的で、ある調査を実施した。われわれは、数万件の面接、面接を担当したあらゆる社員、求職者に対する彼らの評価、さらに採用された人物が自身の
職務で最終的に果たした業績について調べた。その結果、関連性がゼロであることが分かった。極めて専門的な分野に応募した人だけを対象に面接したために、高い的中率だった社員1名を除いて、結果は完全にばらばらだった。その社員は、実はその分野において世界の第一人者であった。

詰まるところ大企業がハードルを上げ、採用コストを圧縮するだけ

 そもそも受験料有料化が可能な企業というのは、ネームバリューのある大企業だけですし、それによって中小企業にも目が行く。というのは理想論であって、実際は「大企業に入りたいけど、受かるかわからないので中小も受けよう」という心理が変わることはないでしょう。(いまのところは)


 就職において、第一志望を中小に絞って活動する人がどれだけいるのかは正直知りませんが、人間の心理としてネームバリュー(あくまで一般論)のある会社で働きたいと思うのが普通だと思います。


 今でこそ、ちきりんやその他ブロガーが大企業で働くデメリット、中小で働くメリットを説いてますが、一度それを"経験"した人でなければ中々実感として理解しにくい問題だろうと思いますし、普通の人はネームバリューのある会社で働きたいと思うのが常だと思います。


 そうなると受験者の負担が増えるだけで、有料化を採用した企業だけがコストを圧縮するだけになる可能性が高いと個人的には思います。

自分のアタマで考えようだと?それちきりんの意見だろ?

 今回の採用有料化について、世間の反応としてはそれほどドワンゴは非難を受けたという印象は、少なくとも僕にはなく、どちらかというと「他も追随すればいいのに」という反応が多かったように思います。


 たまに、ちきりんナイズされた自分のアタマで考えた"つもり"の人がいますけどね。まぁ賛成の人もいれば反対の人もいるということでどうでもいいんですけど、個人的には就職活動生を疲弊させるだけの愚作だと思います。


 個人的にはちきりんにはこういう方法論ではなく、働き方についての啓蒙をもっと広くしていった方が就職市場の適正化に寄与するんじゃないかなと思っているので「な?予言しただろドヤっ?」じゃなくて面白いエントリーの精製に勤しんでもらいたいと思います。


以上です。