ちょっとそこまで-斥候隊-

Spare me your lecture.

ドロップ☆モンキーマジック

 帰りの電車で思ついた風刺風ショートショート

☆☆☆

最近世紀の大発見をしたと話題の新進気鋭の女性科学者O博士は今日も忙しい。
色々な取材を受けたり、支援者との会合であったりとトイレに行く暇も無いようだった。


「これはこれはO博士。お忙しいようですね。夢のDROP物質のほうはいかがですか?」
「おかげさまで忙しいです。でも研究に専念できなくて少々困っております」
そう言うとO博士は新聞記者に囲まれ、さっそく身につけていた大きな指輪について質問を受けていた。


そうしてるうちに、O博士が発見した夢の物質についての特番が組まれ「全てを初期化してしまうDROP物質」を解説する番組で賑わい、今後の応用や先端技術との融合を夢見たやや扇状的な雰囲気で世間は包まれていった。


ところが、O博士の発表に違和感を持った、こじらせで有名なはてな博士は独自に調査を行い、発表の曖昧さと論文の剽窃疑惑を矛にブログでDROP物質について言及したのだった。


やがて、その記事は広く拡散され次々と検証がなされていった。


すると、O博士の過去の論文も剽窃疑惑が持ち上がり、DROP物質の説明にも暗雲が立ち込めていき、次々に様々な視点から検証がなされ、次第に世間の目も厳しくなり批判的な意見も多くなっていった。当然支援者達も憤慨し、夢を見ていた人達もO博士の説明責任を声高に叫んでいった。


心身共に憔悴したO博士だったが、なんとか会見を取りまとめ「自分の研究を証明する」と報道各局にFAXを流した。


世間の話題を一心にあつめた会見当日、O博士は静かに説明を始めた。
「DROP物質は実在します。でも複雑なレシピが必要なんです。」
「ノートはありますが見せれません」
「前段階の実験ならいくらでも成功しています」
そう説明すると矢継ぎ早に鋭い質問の嵐が飛んできた。
辛辣な質問や返答に困る質問が多く、やがてO博士はこらえられなくなり涙を流した。


ところがO博士はすかさずその涙を採取し、報道陣に叫んだ「これがDROP物質です。」
「今から証明致します」
と言い、実験対象を募集した。
この目でO博士の行った事を確認すると息を巻いていたはてな博士が、すかさず挙手しその場で実験することになった。



O博士が渡したDROP物質を飲んだはてな博士が言った「こんな可愛い人が不正をするはずがないだろう」

そしてO博士は呟いた「残った物質で次は教授だ」